止まらないことを支える役目
人が集まる施設では、設備が止まらないことが当たり前の前提になっている。株式会社山田技研が引き受けているのは、まさにその前提を保つ仕事だ。劇場やコンサートホール、ホテル、プールといった施設へ出向き、舞台装置や機械設備のメンテナンスにあたる。アリーナの照明・音響設備に向き合う日もあり、公演やイベントの足元を陰で支え続けている。客席から見えない部分を保つことが、この会社の役割の中心にある。
社内の技術者が通して受け持つ
株式会社山田技研の現場では、電気工事士や溶接工、機械メンテナンスの担当が自社にそろっている。配線や制御盤を扱う手、金属部材を加工する手、設備本体を調整する手が、一つの会社の中に並ぶ。工程を外部に細かく分けず、社内の技術者が現場を通して担う形だ。舞台装置設備による機械設計のように、ものづくりの手前から関わる場面もある。
個人的には、これだけ性質の違う技術を一社で抱え、未経験から育てている点が印象に残った。技術を社内に保ち続けるには、新しい担い手を自前で育てていく必要がある。ベテランが入社1年目の社員を一つずつ指導する流れは、その考え方の表れだろう。
二つの拠点と、働き続けるための形
拠点は福島県南相馬市鹿島区の本社と、埼玉県三郷市新和の事業所の二つだ。関東エリアを中心に現場が広がるなか、三郷の事業所は交通アクセスのよさで動きを支える。南相馬の本社は自然に囲まれた立地で、地元で腰を据えたい人の勤務地になる。現場が各地に散らばるため、一会場あたり10日から20日ほどの出張が組まれ、転勤は基本的にない。正社員としての採用を前提に、社員寮を完備し、住宅手当やマイカー通勤も用意している。通勤手当は月額3万円を上限に支給され、暮らしの土台を保ちやすい。
現場の中心は40代の男性社員で、仕事を離れた場でも交流があるという。代表の山田右京氏のもと、求められているのは約束やルールを守り、高い目標へ粘り強く進める人だ。受付は朝9時から夕方5時まで、休みは土日祝で、協力会社の募集も続いている。手に職をつけ、舞台の裏側を長く守っていく道が、ここには開かれている。


