機械式駐車場の施工に特化した事業領域
都市部で慢性的に不足する駐車スペースを、限られた土地の中でどう確保するか。有限会社大澤工業が手がけるのは、その問いに対するひとつの回答ともいえる機械式駐車場の鉄骨機械組立工事である。マンションや商業施設、オフィスビルなど建物の用途に合わせた設計・施工を行い、平面駐車場では到底収まらない台数を同一面積内に納めている。東京から関東一円まで施工エリアは広く、駅前再開発や新規の都市計画案件への参画実績も積み重ねてきた。
個人的には、機械式駐車場という一つの分野にここまで集中して取り組んでいる会社は珍しいと感じた。新規設置だけでなく、現場ごとの条件——地盤の状態や搬入経路の制約——に応じた施工プランを都度組み立てている。設計段階から完成後のフォローまで自社で一貫して対応する体制を敷いており、工程間の情報ロスが起きにくい。こうした進め方が発注元からの継続的な依頼につながっているという声も目立つ。
立川本社と久喜倉庫を軸にした資材・人員の運用
東京都立川市の本社と埼玉県久喜市の倉庫、この二拠点の配置が有限会社大澤工業の広域対応を支えている。都内の案件には立川から、北関東方面には久喜から人員と資材を動かすことで、移動時間と輸送コストの両面で無駄を減らしている。複数の現場が同時に動いていても、倉庫に鉄骨部材や機器をストックしておけるため、急な工程変更にも振り回されにくい。関東圏では再開発に伴う機械式駐車場の需要が引き続き発生しており、こうした物流面の土台が受注余力の確保に直結している。
実際の施工現場では、搬入のタイミングが1日ずれるだけで工期全体に影響が出ることも珍しくない。久喜倉庫からの配送は首都圏の高速道路網を活用しやすく、朝一番の搬入指定にも対応しやすい立地にある。都心部の狭小地での夜間搬入が求められるケースでも、事前に倉庫で仕分けを済ませてから現場に送り出す運用を採っている。こうした段取りの精度について、取引先から「スケジュールが読みやすい」と評価される場面が多いようだ。
鳶職としてのキャリア形成を後押しする仕組み
有限会社大澤工業は社会保険完備に加え、資格取得支援制度を整えている。鳶職に必要な技能講習や特別教育の費用を会社が負担し、取得スケジュールの調整まで含めてバックアップする形だ。現場で求められる資格は複数あるため、入社後に段階的に取得していくロードマップが用意されており、個人任せにしない方針が明確に打ち出されている。
先輩職人が新人に付いて日々の作業を通じて技術を伝える体制が根づいている。座学だけでは身につかない鉄骨の組立手順や安全管理のカンどころを、実際の現場で繰り返し経験しながら覚えていく流れだ。職場の雰囲気についても「わからないことを聞きやすい」と感じるスタッフが多いようで、年齢や経験年数に関係なく声を掛け合う空気がある。結果として定着率の高さにもつながっている。
未経験からでも応募できる採用の間口
鳶職の経験者を優遇する一方で、有限会社大澤工業は未経験者の応募も受け付けている。資格や職歴よりも、本人の意欲と体力を重視した採用方針を掲げており、異業種から転職してきたスタッフも少なくない。経験者にはこれまで培った技術をそのまま活かせる現場環境を、未経験者には基礎から学べる指導プログラムをそれぞれ用意し、入口の違いにかかわらず同じ現場で力を発揮できる状態を目指す。
ある20代のスタッフは飲食業からの転職組で、入社時は工具の名前すら知らなかったという。半年ほどで基本的な作業を一人でこなせるようになり、1年目の終わりには玉掛けの資格も取得した。こうした成長の実例があること自体が、次の応募者にとっての判断材料になっている。ベテランと若手が同じ現場で汗をかく日常が、組織としての施工力を底上げしている構図だ。


