相談室の外でも、心の負担を軽くする言葉を
カウンセリングは予約して向かうもの、という段階の手前で足が止まる人は少なくありません。生きづらさに寄り添うカウンセラーは、ブログやコラムを通じて、心の負担を軽くするためのヒントを日ごろから発信しています。日々の活動の様子や、気持ちを落ち着かせるための小さな工夫が綴られ、相談する前から心と向き合う手がかりになります。読んでいるうちに、この人になら話してみようかと思える——その入り口の役目を、文章が担っています。
発信の場は、文章だけにとどまりません。Instagramでは田嶋秀一さん自身が日々の様子を届け、相談の前に人柄を知る窓口になっています。相手がどんな人か分かるだけで、はじめの一歩はずいぶん軽くなります。正直なところ、相談にたどり着く手前の心細さにここまで目を向けている相談室は珍しいと、取材をして感じました。
千葉・八街から、生きづらさを抱える人へ
この相談室が向き合うのは、暮らしのなかで静かに膨らむ生きづらさです。千葉県八街市を拠点に、夫婦のすれ違いや人間関係の疲れ、仕事のプレッシャー、介護の負担、過去のトラウマまで、言いにくいテーマほど受け止めてきました。身近な相手にこそ打ち明けにくい悩みを、家族でも友人でもない立場で聞くことに意味があります。ひとりで抱えて自分を責めてきた時間を、少しずつほどいていく場として開かれています。
田嶋秀一という聞き手がいる理由
相談を一人で担う田嶋さんは、メンタルトレーナー、心理カウンセラー、認知行動療法士の資格を持っています。ただ、相談者の緊張を解くのは資格の並びだけではありません。30年にわたってバーを営み、カウンター越しに数えきれない人の話を聞いてきた歳月が、聞く構えを形づくってきました。人見知りや家族の苦難を自分でも通り抜けてきたことが、相談者と同じ目線をつくる土台になっています。
聞き方の芯は、答えを教えないところにあります。必要な答えは相談者の内側にある、という前提で、自分で気づく力を取り戻せるよう聞き役に回ります。面談のあとも前より楽になっているかを確かめ、その人のペースで回数を重ねていきます。上手に話す必要はなく、思いついた言葉から口にして構わないと最初に伝えられる——そのひと呼吸から、対話は始まります。


