「古民家に現代を重ねる」専門工房の仕事
基礎となる工法や古材はそのままに、現代のライフスタイルをプラスしていく——古民家蘇生工房が一貫して取り組んできたのはその作業だ。専属の古民家再生職人が在籍し、外壁・床材のダメージを含めた現場確認から始まり、古材の状態と建物の構造を読み解きながら施工方針を組み立てる。古民家の解体から移築、再生、設計、施工管理まで自社完結できる体制があるからこそ、古材の扱いや建物の解釈を施工全体で共有したまま進められる。江戸時代から続く古民家の建て替えという実績を持ち、年代や状態を問わず対応できる守備範囲の広さが、他の工務店にはない選択肢を提供している。
「築年数を理由に諦めていた建物が住める形になった」という声が利用者の中に複数あるという。移築まで対応できる点も含め、まず相談してみた、という入口を選んでもらいやすい工房として機能している。
木材の調湿・調温機能と天然素材の暮らし
天然素材を主体に構成された古民家は、木材が本来持つ調湿・調温機能をそのまま生活空間に活かせる構造を持っている。化学物質を多用する既製建材を避けて施工できるため、空気環境ごと改善されたという実感を持つ利用者も多いという。F-CONの施工店として、この素材感を保ちながら現代の空調快適性を上乗せする提案も行っている。薪ストーブの設置・定期メンテナンスにも対応しており、古民家の広い空間に馴染む暖房設備として選ばれるケースが続いている。
キッチンや内装の入れ替えから家具の相談まで一括受付しているため、複数業者へ分散して依頼する手間が省けると感じる利用者も多い。個人的には、住まいに関わる相談を幅広く受け止める体制が、古民家を前にした時の不安を和らげているように見えた。
古材越しの朝日が作った、素材主義の家づくり哲学
代表T.Yanagimuto氏が江戸時代の解体現場で古材の山越しに朝日を見た瞬間が、古民家蘇生工房の原点にある。以来、仕事で全国の山奥まで足を運ぶ中で、思わず立ち止まりたくなる家に何度も出会ってきた。そこに共通していたのは、古びることで美しくなる本物の素材だけで構成されているという事実だ。その積み重ねが「百年の時を刻む循環型の家づくり」というコンセプトに結晶しており、古材・杉の赤身材・自然素材への確固たる姿勢として施工に反映されている。
「古材や杉の赤身材の魅力に共感するお客様と一緒に」という代表の発信は、工房を選ぶ側の共感をきちんと拾っている。素材への視点が似ている相手に任せたい、という選択理由を挙げる利用者が一定数いるという話は、代表の情報発信が着実に機能していることを示している。
3つの外部登録が支える、北九州の古民家専門窓口
日本民家再生協会登録事業者、QBC地域優良工務店の会認定事業者、CRS(ケア・リフォーム・システム研究会)会員という3つの外部登録・認定を保持している。工房は福岡県北九州市小倉南区新道寺106−1に構え、九州自動車道・小倉南インターから約5分、JR石原町駅からも徒歩約10分というアクセスの良さで、北九州市外からの来訪にも対応しやすい環境がある。営業時間は8:00〜18:00(日曜・祝日定休)。ブログでは茅葺き古民家の再生中の様子や熊本上益城町での蔵調査など、九州各地での活動が継続的に記録されている。
古民家に何をしたいかがまだ定まっていない段階での問い合わせも受け入れている雰囲気が、「まず聞いてみようと思えた」という入口のしやすさにつながっているという声が目立つ。


